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身近なIT技術~ノーコード開発ツール 製品選定編~

執筆者の写真: なゆなゆ

アーキテクトGの「なゆ」です。

皆さまの身近にあるIT技術をお届けしたいと思います。

前回はノーコード開発ツールについて紹介しました。

今回はノーコード開発ツールでアプリを作成する際の注意点や考慮する必要がある点などを説明します。


 

ツール選定

ノーコード開発ツールは目的や用途によってさまざまな選択肢があります。

ツール名

主な用途

開発手法

性能・スケーリング

Microsoft Power Apps

業務アプリ、データ連携

ドラッグ&ドロップ、テンプレート

高いスケーラビリティ、Microsoft Azureと統合

OutSystems

複雑な業務アプリケーション

モデル駆動型開発、コンポーネント再利用

エンタープライズ向け、クラウドネイティブ

Bubble

Webアプリ、MVP作成

ビジュアルエディタ、ワークフロー構築

中小規模プロジェクト向け、拡張性あり

Adalo

モバイルアプリ、プロトタイプ

ビジュアルエディタ、コンポーネント配置

小規模アプリ向け、シンプルなスケール対応

Glide

シンプルなアプリ作成

Google Sheets連携、ドラッグ&ドロップ

小規模データ向け、即時デプロイ可能

Yappli

モバイルアプリ開発

ビジュアルエディタ、テンプレート活用

中規模プロジェクト向け、安定した運用支援

Platio

業務効率化アプリ

フォームベースのアプリ作成

現場向け最適化、リアルタイムデータ処理

Studio

Webサイト、LP作成

ビジュアルデザインツール

デザイン特化、小~中規模案件に最適

Kintone

データベース、業務管理

テンプレート、プラグイン

柔軟なカスタマイズ性、大規模データ対応可能

作成する人の開発スキル、運用する人のスキルに合わせて選ぶ必要があります。もし、スキルに合わせずツールを選定した場合、開発が難航する、開発できてもメンテナンスなどができないなど問題が発生します。 類似する事例として、前任者が作成したExcelマクロで業務効率化していたが転勤等でメンテナンスができなくなった、同等のスキルを持った人材を雇おうとするとコストがかかりすぎるなどが挙げられます。

また製品ごとに想定利用者数の設定があり、適切なプランを選択しないと使いづらい、利用できないなどの問題が発生します。

少人数(50人程度)の場合と大人数(5000人程度)では必要な性能が異なりますので、利用者数に応じた製品の選定が必要になります。


 

カスタマイズの限界値

主に業務アプリやコンシューマー向けのアプリを作成する際に、業務/サービスに合わせて処理の方式を変えたい、ワークフローを追加したいなどのカスタマイズを行うことがあります。

その際に柔軟なカスタマイズができる製品とできない製品があります。

例えば前回紹介した「Bubble」では、外部サービスとの連携にはプラグインの開発が必要であったり、ワークフローのループ処理ができなかったりします。


またよく挙げられるカスタマイズの限界はセキュリティ対策です。

外部からの侵入経路を減らすため、接続元IPアドレスを制限したり、社内の情報セキュリティ規程に即した対策ができないなどがあります。

ノーコード開発ツールの場合、標準的なセキュリティ対策は行われていますが、重要機密を扱うなどより堅牢なセキュリティが求められる場合にカスタマイズができないことがあります。


 

パフォーマンスの限界

製品ごとに想定利用人数が定められていることがあります。

主に小規模~中規模程度のノーコード開発ツールが多いですが、小規模の基準もそれぞれとなります。

私がWebサービス開発する際の参考地としては以下を目安にしています。

また参考値は企業向け、プロジェクト向け、Webサービス向けでそれぞれ異なります。

そのため選定しようとしている製品がどの程度なのか、お問い合わせすることをオススメします。

規模

想定利用者数

小規模

1~500人程度

中規模

1,000~10,000人程度

大規模

10,000~100,000人程度

超大規模

100,000人以上



 

おわりに

いかがでしたでしょうか。

上記以外にも考慮する点(セキュリティ対策やコストなど)は多々あります。

そのため、どのようなことをしたいか、どのようなものを作りたいかを明確にしてから、無料版で製品の機能などを確認し、製品選定することで製品導入後のGAPを少なくすることができます。

これはAIサービスも同様で、AIごとに特性があり、プランがあり、制約があります。

みなさんも製品選定する際は、何をしたいかを明確にして、製品を比べてみてください。





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