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のり

プロジェクト作業パフォーマンス領域

ファシリテートGの「のり」です。


今回は、PMBOK第7版のプロジェクト・パフォーマンス領域のうち、プロジェクト作業パフォーマンス領域の概要についてお話します。

プロジェクト作業パフォーマンス領域で示される7つの活動とその期待される効果は以下の通りです。


①プロジェクト・パフォーマンスについて

 活動内容

  ・作業に関する制約条件を理解したうえでチームの作業プロセスを確立して定期的に

   レビュー・分析し、ボトルネックが存在する場合は改善したり、プロジェクトの

   ニーズに合わせて作業プロセスをテーラリングします。

  ・プロジェクト進捗の短期的・長期的な予測を行って評価し、チーム・メンバーが

   今どの作業に注力すべきかを示して作業量のバランスをとります。

   また、プロジェクト・チームが自分の作業に満足し、モチベーションを維持できて

   いるかにも注意する必要があります。

 期待される効果

  ⇒効率的かつ効果的にプロジェクト・パフォーマンスを発揮できます。


②作業プロセスについて

 活動内容

  ・作業プロセスがプロジェクトのニーズを満たすようにテーラリングされていることを

   確認します。

  ・プロセスの評価にはプロセス監査と品質保証活動を含め、目標を達成するだけで

   なく、品質要求事項、規制、標準、組織方針などが遵守されるようにします。

   また、監査や品質保証活動の結果ではネガティブな指摘事項がなく、作業プロセス

   が妥当であることを確認します。

 期待される効果

  ⇒作業プロセスが環境やプロジェクトに最適化され、①のプロジェクト・パフォーマンスへつながります。


③ステークホルダー・エンゲージメントについて

 活動内容

  ・ステークホルダーへの積極的なエンゲージメントにより、突然の情報提供依頼や

   誤解を防止します。

  ・新たな作業や変更が発生した場合もステークホルダーとコミュニケーションをとり、

   スケジュールと照合しながら取捨選択を判断します。

 期待される効果

  ⇒ステークホルダーと良好な関係を維持できます。


④物理資源のマネジメントについて

 活動内容

  ・プロジェクトのスケジュールと照合し、物的資源の計画、発注、輸送、保管、追跡、

   廃棄が適切であることを確認します。

 期待される効果

  ⇒過不足がない効率的な物的資源の管理ができます。


⑤調達のマネジメントについて

 活動内容

  ・契約内容について、受発注側双方の合意のもとに適切な価格で仕入れていること、

   プロジェクト全体のスケジュールに合わせて納期が調整されていることを確認

   します。

 期待される効果

  ⇒受発注側ともに Win - Win の満足した状態となります。


⑥変更のマネジメント

 活動内容

  ・開発アプローチが予測型の場合は、変更管理委員会によりスコープ、スケジュール、

   予算、資源、ステークホルダー、リスクの影響を考慮して変更が総合的に評価

   されていることを確認します。

  ・開発アプローチが適応型の場合は、プロダクト・オーナーとチームが協力して

   スコープ達成率と新しいスコープの追加率を示すプロダクト・バックログを管理

   していることを確認します。

 期待される効果

  ⇒顧客価値の高い変更を効率的に管理できます。


⑦プロセス改善

 活動内容

  ・プロジェクトの反省会を行い、それを教訓登録簿にまとめます。

   教訓登録簿は主に組織の他の人が同様の別プロジェクトに対応する時に使用

   されますが、現在進行中のプロジェクトにおいても有用な教訓は積極的に適用

   します。

  ・チーム・メンバーが蓄積している言語化されていない知識(暗黙知)を言語化し

   (形式知)、チーム内で共有します。

 期待される効果

  ⇒継続的な作業プロセス改善によりチーム能力が向上します。


★所感

  「⑦プロセス改善」に出現し、作業の引き継ぎ時にキーワードとなる「暗黙知」と

 「形式知」とは具体的には以下のようなものです。

 ・暗黙知

  経験、洞察、実践的な知識やスキルを基にした表現することが難しい知識のことで、

  知識を必要とする人と知識を持つ人をつなぐこと(ネットワーキング、

  インタビュー、ジョブ・シャドーイング、ディスカッション、ワークショップなど)

  で伝達します。

 ・形式知

  文字、絵、言葉、写真、数字などを使って容易に表現できる知識のことで、

  マニュアル、登録簿、ウェブ検索、データべースなどの人と情報をつなげる情報管理

  ツールを使用して伝達します。


  全ての人が自分の暗黙知を完璧に形式知に変換できれば良いのですが、筆者の経験上、

 暗黙知を形式知に変換する人によっては記載漏れや記載誤りが発生します。

  そういう不安要素があるにしても、暗黙知を形式知に変換することには以下のような

 メリットがあり、重要だと感じています。

 ・ 特定人物以外が作業を進められないという属人化状態の防止が期待できる。

 ・ 誰にでもわかる形で知識を伝えることで、作業内容の継承が容易になる。


プロジェクト作業パフォーマンス領域についてのお話は以上となります。


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