○はじめに
はじめまして。ファシリテートGのかわうちです。
簡単に私達のグループと当ブログでの発信予定の内容の紹介をします。
私達のグループではシステム開発案件におけるプロジェクト管理(PMO)業務を中心にお客さまを支援しており、私自身もシステム開発案件のPMOとして6、7年ほど従事してきました。
ブログテーマ
ファシリテートGでは今回から数回に渡り、私達の業務と関わりが深いプロジェクト管理の知識体系である"PMBOK"について、発信していきます。
PMBOKについては他のサイトや書籍も充実していますので、詳細な内容はそちらにお任せすることとし、当ブログは皆さんが少しでも身近に感じられるような内容を意識して発信しますので、何か1つでも参考になれば幸いです。
想定読者
・PM/PL
・PMO
・上記を目指している方
○なぜPMBOK?
皆さんはプロジェクトを進める中で、「なんでこんなルールが必要なんだ?」と思うことはありませんでしょうか?
私はプロジェクト管理ルールを企画・改善・運用する中で、まさに「このルールは必要なのか?」と思うこともあれば、「改善する場合はどのように(何を拠り所に)すればいいのか?」と悩むことがありました。その時はお客さまの社内基準や過去の経験に則り検討していたのですが、それが本当にプロジェクトのためになることなのか、自信は持てませんでした。
もし同じような思いを持つ方がいれば、PMBOKは参考になるかもしれません。
PMBOKはアメリカの非営利団体であるPMIがまとめているプロジェクト管理の知識体系として世界各国に浸透しており、プロジェクト管理の標準的な考えとして1つの基準になるからです。
○PMBOKについて
PMBOKの内容は大きく以下の2つに分類されます。
①プロジェクトマネジメント標準
②プロジェクトマネジメント知識体系ガイド
今回は①プロジェクトマネジメント標準について触れようと思います。
プロジェクトマネジメント標準はPMやPMOに限らず、プロジェクトに関与する全員が持つべき行動指針であり、以下の12項目が定義されています。
プロジェクトマネジメント標準
1.勤勉で、他人に敬意を払い、面倒見のいいスチュワードであること
2.協働的なプロジェクト・チーム環境を構築すること
3.ステークホルダーと効果的にかかわること
4.価値に焦点を当てること
5.システムの相互作用を認識し、評価し、対応すること
6.リーダーシップを示すこと
7.状況に基づいてテーラリングすること
8.プロセスと成果物に品質を組み込むこと
9.複雑さに対処すること
10.リスク対応を最適化すること
11.適応力と回復力を持つこと
12.想像した将来の状況を達成するために変革できるようにすること
具体的にイメージしにくい項目もありますが、ご自身の行動指針としてどのように取り入れることができそうでしょうか?
例えば私の場合、自身に適用すると以下のようになるかなと思いました。
1.勤勉で、他人に敬意を払い、面倒見のいいスチュワードであること
→困っている人がいないか気にかけ、自身の行動に責任感を持つこと
2.協働的なプロジェクト・チーム環境を構築すること
→お互いの仕事を認識し、必要に応じてサポートする関係を築くこと(役割分担に重きを置いたドライな関係にならない)
3.ステークホルダーと効果的にかかわること
→ステークホルダーの考えや背景を理解すること。またそのために積極的にコミュニケーションを取ること
4.価値に焦点を当てること
→本来のプロジェクトの目的を意識して行動すること
5.システムの相互作用を認識し、評価し、対応すること
→他システムやシステム全体への影響を意識すること
6.リーダーシップを示すこと
→リーダーやメンバー等の役割に関わらず、自ら目標設定し、率先して推進すること
7.状況に基づいてテーラリングすること
→例えばプロジェクト管理方法を組織の価値観(リスク許容度高い?低い?など)や開発アプローチに適合させること
8.プロセスと成果物に品質を組み込むこと
→成果物の品質基準だけでなく、プロセスの品質基準(適正なタイミングで有識者がレビューしているか等)も組み込むこと
9.複雑さに対処すること
→複雑になっている要素を整理・単純化し対応すること
10.リスク対応を最適化すること
→リスク分析をした上で優先度が高いものから対応していくこと
11.適応力と回復力を持つこと
→変更事項に柔軟に対応し、失敗やトラブルは早期に対応し反省を活かすこと(遅くなるほど影響大)
12.想像した将来の状況を達成するために変革できるようにすること
→改善を意識し、実行すること。ステークホルダーを納得させる説得力を持つこと
実際に全てを達成するのはなかなか難しそうですが、当然だと思える内容が多いのではないでしょうか。
このようにPMBOKではプロジェクト管理における標準的な考えを示しており、プロジェクト管理に関わる多くの方の参考になるのではないかと思います。
いかがだったでしょうか?
次回以降はPMBOKの根幹であるプロジェクトマネジメント知識体系ガイドをテーマに取り上げますので、ご覧いただけると幸いです。
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